医療費控除の対象は?金額や交通費・予防接種・出産など

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医療費控除できる対象とは

一般論としては、病気や怪我の治療にかかる費用全てが対象となり、いくつかの例外項目や条件が設定されています。
また、極端に高い医療費(かすり傷の治療に数万円など)は認められません。

控除の対象となる医療費として、代表的なものは、医師や歯科医師による診療・治療への対価です。
病院の窓口で払うような費用に加え、自宅等へ往診してもらった場合には、その送迎費も含まれます。
入院した場合、部屋代や食事代も対象になりますが、いわゆる差額ベッド代は対象になりません。
食事代が含まれるのは、医師によって管理されていて、治療の一環とみなされるためであり、外食や出前はこれに当たらないため、控除に含まれません。
寝巻きや洗面具などの身の回りの品を新たに購入した場合も、元々生活に必要な物なので、控除対象とはなりません。
通院で交通費がかかった場合は、公共交通機関の運賃が対象です。
美容整形は、病気や怪我の治療に当たらないため、その費用は医療費控除に含まれません。
単なる健康診断の費用も対象外ですが、医師等による一定の特定保健指導の対価は対象です。
具体的には、人間ドックで重大な疾病が発見され、そのまま治療に移った場合や、保健指導を受けた中で、血圧・血中脂質・血糖値が一定基準を超えた人が控除を受けられます。

保健師や看護師、准看護士等に療養上の世話を受けた場合、そのための対価は医療費控除の対象です。
急病等で病院へかつぎ込まれた時、人の助けを受け、対価を支払った場合も同様です。
ただし、いずれの場合も、世話を受けた相手が親族であれば、その謝礼等については控除対象となりません。

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などによる施術、介護福祉士等による喀痰吸引等への対価も対象です。
ただし、いずれも病気や怪我の治療目的である必要があります。

医療用器具の購入や賃借のための費用も、原則として医療費控除の対象になります。
義手、義足、松葉杖、義歯、補聴器等はもちろん、6ヶ月以上の寝たきりの人のおむつ代で、医師の証明がある場合も含まれます。
メガネの購入費用については、一般的な視力矯正用のものについては控除対象にならず、治療の必要に応じて医師が処方したメガネのみが対象となります。
これについては、治療時に眼科医等から説明を受けるはずです。

薬の購入費用は、医師等による処方や指示により購入したものはもちろん、風邪薬など、一般的な医薬品の購入費用も控除対象となります。
ただし、予防目的や、サプリメントなどの健康増進を目的としたものの購入費用は対象となりません。

以上の他にも、身体障害者福祉法や、介護保険制度に定めのある場合に、医療費控除の対象と認められる費用があります。
詳細は国税庁ホームページや、税務署の窓口で確認する事をお勧めします。
また、領収書は出来る限り取っておくべきですが、通院に伴う交通費等のやむを得ない場合には、家計簿に記録するなど、後で明確に説明出来るようにしておきましょう。


医療費控除できる金額は

1年間に10万円以上の医療費を支払った場合に医療費控除を受けることができます。医療費控除の金額は、次の計算式で求められます。

[控除対象となる医療費の合計] – [医療保険などによる補填額] – [10万円または所得の5%]

控除対象となる医療費については、前項で解説した通りです。

医療保険などによる補填額は、保険金の対象となった医療行為の費用のみが、個別に差し引きの対象となります。
例えば盲腸の治療費が15万円で保険金が25万円、その他の病気にかかった治療費が1万円で保険金が3千円だった場合を考えます。

まず盲腸に関しては、保険金から15万円全額が補填され、差し引きゼロとなります。
実際には10万円のプラスとなりますが、医療控除を考える上では、保険金の対象(この場合は盲腸)以外に影響を与えません。
その他の病気は3千円が補填され、差し引き7千円が、次の計算の対象となります。

最後に、所得が200万円を超える場合は10万円を引き、200万円以下の場合は所得の5%を引きます。
控除額は200万円まで認められます。

交通費の医療費控除について

通院にあたって交通費が発生した場合、原則として医療費控除の対象となるのは、公共交通機関の利用料金だけです。
タクシー代はもちろん、自家用車で通院した場合のガソリン代、駐車場代も控除対象とはなりません。
ただし、公共交通機関を利用出来ない場合は、例外的にタクシー代を控除対象とする事が認められています。


予防接種代は医療費控除できる?

非常に勘違いされやすい問題です。
結論から言うと、予防接種代は医療費控除の対象に「含まれません」。

医療費控除は、病気や怪我の治療を目的とした費用に認められる制度です。
予防接種は、言葉通り「予防目的」であるため、対象とならないのです。

出産したら医療費控除できる?


妊娠および出産にかかる費用に対する控除の考え方も、一般的な通院や入院の場合と変わりません。
特徴的なケースとしては、不妊治療や人工授精にかかる費用、定期検診、悪阻や切迫流産に伴う入院、分娩費、赤ちゃんの入院費、1ヶ月検診なども対象となります。
助産師に分娩の介助をしてもらった場合、その対価も控除対象です。
母乳マッサージの費用も、乳腺炎などの治療目的であれば控除されます。
その他の交通費や物品の購入等も、病気や怪我の場合に準じて考えれば間違いありません。

一方、妊娠検査薬の購入費や、実家で出産・療養する場合の交通費と滞在費、赤ちゃんの紙おむつ代等は、治療目的と認められず、控除対象に含まれません。

また、出産に伴い給付される一時金などに関しては、いくつか気を付けるべき点があります。
健康保険組合や共済組合から、出産育児一時金、家族出産育児一時金、あるいは出産費や配偶者出産費等の名目で、一時金が支給される事があります。
これらは医療保険金と同じく、医療費の補填を目的とするので、医療控除額の計算において差し引かなければなりません。
健康保険法等の規定により給付される出産手当金の場合は、一定期間欠勤せざるを得ない事に対する手当であり、医療費の補填では無いので、控除額の計算に含める必要はありません。

その他の場合も、「医療費の補填」を目的とするか否かで判断しますが、支給元か、税務署の窓口等に問い合わせるのが確実でしょう。

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